「私は貴方のモノ」【完結】
到着したvipルーム。
その中から聞こえる甲高い声と笑い声。


「ああああ、アキラーーーッ!遅い!」


他の男の腕の中にいた梓は俺を見付けると、千鳥足でこっちに駆け寄ってくる。


「もう、待ってたよ!」


俺に自分の腕を絡ませて、猫撫で声を出すとさっきいた場所へと俺を引っ張った。


「しょーさん!彼は同じ大学の彬です!」


自棄にハイテンションで、告げるその男はさっき梓の肩に手を回していた男だ。
しょーさん、そう呼ばれた彼は俺を見上げると微笑む。



「君が彬君か。梓が何度も言ってたよ。
カッコいい人を連れて来るからって」

「そうですか」


愛想なく答えながら、俺はソファへと腰を下ろす。



「俺はショウ、定期的にクラブでイベントしてるんだよ。よろしく」

「ども」


ニッコリと笑う彼は、お酒の瓶を手にすると空いたグラスに注ぐ。
それから、俺へと差し出した。
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