「私は貴方のモノ」【完結】

ぴくっと肩が動いた。


だけど、すぐにふっと笑う。



「お前には関係ない話だ」

「まあな。それをどうしようが、彬の勝手だわな。
また誰か紹介してくれよ?」


含みのある笑みを向けると、三本木は俺の肩にぽんっと手を置いて立ち上がった。
それから、さっき一緒にいた女の元へと向かう。



「……」



噂。

めんどくせえな。



きっと、今日大学で俺が連れ回すのを三本木の仲間が見たからだろう。
それを聞いたのかもしれないし。


……それともあの親父から聞いたか。


どっちにしろ、俺の邪魔をしないならどうでもいい。
そんな事。



「ねえ、彬っ。私の友達が彬と仲良くなりたいんだって」

「そう」

「めっちゃ可愛いんだよ?それに、おじょーさまなの」

「ふうん。梓より可愛いヤツいんの?」

「えっ?何言ってるの、彬!もうっ、いるに決まってるじゃん!」


梓は嬉しそうに顔を緩ませている。
満更でもなさそうだ。

< 59 / 219 >

この作品をシェア

pagetop