「私は貴方のモノ」【完結】
ぴくっと肩が動いた。
だけど、すぐにふっと笑う。
「お前には関係ない話だ」
「まあな。それをどうしようが、彬の勝手だわな。
また誰か紹介してくれよ?」
含みのある笑みを向けると、三本木は俺の肩にぽんっと手を置いて立ち上がった。
それから、さっき一緒にいた女の元へと向かう。
「……」
噂。
めんどくせえな。
きっと、今日大学で俺が連れ回すのを三本木の仲間が見たからだろう。
それを聞いたのかもしれないし。
……それともあの親父から聞いたか。
どっちにしろ、俺の邪魔をしないならどうでもいい。
そんな事。
「ねえ、彬っ。私の友達が彬と仲良くなりたいんだって」
「そう」
「めっちゃ可愛いんだよ?それに、おじょーさまなの」
「ふうん。梓より可愛いヤツいんの?」
「えっ?何言ってるの、彬!もうっ、いるに決まってるじゃん!」
梓は嬉しそうに顔を緩ませている。
満更でもなさそうだ。