「私は貴方のモノ」【完結】

再度、扉を叩くと

「おい！無理矢理こじあけんぞ！
開けろ！」

さっきよりも怒気を含めた声を出した。



すると、中から小さく「…はいっ」って声がしてドアノブがゆっくりと動く。
少し隙間が出来たから、俺はそこに手を入れて強引に扉を開けた。



それに驚いて肩を竦めているタエ。
タエは俺の顔をまじまじと見つめている。


「…ったく、頭ボケてんのか？
お前は俺のモノなんだろ？」

「………」


だけど、やっぱり返事はない。
はあ、埒あかねえ。
連れてくか。



「行くぞ」

「えっ、どこに、ですか」


タエは本気でわかっていないらしく、キョトンとした顔で俺を見ていた。

…お前の両親はお前にどんな話をしたんだ？


キッと後ろにいる母親を睨みつける。
だけど、俺と目を合わせようとはしない。


…自分達の都合のいいように話したってわけか。