「私は貴方のモノ」【完結】
「今、来たって言うから行って来るね!ショウさん、もうそろそろ時間でしょ?
その子迎えに行ってから、踊りに行くね」
「おう、待ってるわ」
梓は携帯片手に立ち上がると、vipルームを後にする。
残された俺とショウ。
他にも数人ここにはいるけど、女と騒いでたりしていた。
三本木も然り。
「ねえ、彬君って梓とは何もないんだよね?」
「ああ、ない」
「ふうん。それじゃ、俺貰ってもいい?」
「お好きにどうぞ」
「くく、本当にいいんだ」
「ああ、興味ないからな」
「ハッキリしてるね。面白いよ、君」
「……そりゃどうも」
クスクスとまだおかしそうに笑うショウを横目に、俺はまた酒を煽った。
梓狙いだってのは、最初からミエミエだわ。
それを邪魔するつもりはない。
そういえば、タケルの事話すって言ってたのにもうどうでもいいのか。
それとも、ショウとどうにかなりそうだからよくなったのか。
どっちにしろ、めんどくさかったからいいや。
ちらっと三本木の方を見ると、隣にいる女の後ろ姿が少しだけタエに似ていた。