「私は貴方のモノ」【完結】
まあ、好都合か。
結局自分達の首を締めた様なもんだしな。

本当に売られたって事を隠されていたわけだし。


車に乗り込むと、タエはまだ不思議そうに俺に尋ねてくる。
だが、それが鬱陶しい俺は冷たく言い捨てた。

俺の言葉に口を噤むと、握り拳を作ってタエは外を見ていた。


自分の部屋に到着すると、有無を言わさず中へと連れて行く。
黙ったまま俺の後に付いて来たタエは、ソファに座る俺に戸惑った様に立ち尽くしていた。


だから、座れって言ったのに。
何故か、タエは床に座ろうとした。


…はあ?何でわざわざそこなわけ?
警戒してんの?



「…何でそこなんだよ。俺の隣だろ?」


そう言うと、タエは仕方ないといった様子で俺の隣に座った。

こいつ、自分の立場わかってねえ。
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