「私は貴方のモノ」【完結】
First
――――――…
翌朝。
何やら騒がしくて、俺は薄らと目を開ける。
……ねみぃ。
目を擦ってタエの方を見た。
タエは何やらオロオロしていて、落ち着かない。
意味がわかんねえんだけど。
朝から何があったわけ。
「…何してんの」
そう尋ねると、タエはぴたりと動きを止めておずおずと口を開く。
「えっと、私ソファに寝てなかったかな~?って」
「…ああ、俺が運んだ」
何でそんな事気になってんの?
それともソファで寝たかったわけ?
「つか、何でベッドで寝ないわけ?」
「いや、それは…」
目線を泳がせながら、どう返答しようか口籠るタエに苛立ちが募る。
少しだけ語尾を強めて俺はタエに言った。
「いいから、ソファで寝んな」
「………はい」
「ん、イイ子だ」
シュンっとして、素直に返事をするタエに少し満たされた気持ちになった。
そうそう、ちゃんと俺の言う事聞いてたらいいわけ。