「私は貴方のモノ」【完結】
ぐいっとタエの腕を引っ張って、抱き締める。
あったけえ。
このまま、また眠れそうだ。
瞼を閉じかけた時だ。
「は、離して」
「何で」
「……お酒臭いからっ」
「………」
お酒、臭いだと?
このまま抱き締めたまま、もう一眠りしようと思ってたけど。
……やめた。
嫌だって言うまで抱いてやる。
タエはしまったって顔をしていて、俺が眉間に皺を寄せるとぎゅっと目を瞑った。
ふ。それはキスしろって合図?
顎を上げて、キスをした。
無理矢理、舌を捻じ込むと口内を犯して行く。
時折漏れる俺とタエの吐息。
解放した時にタエの顔は真っ赤で、それにゆるりと口角が上がって行く。
潤んだ瞳で、恨めしい目線を向けて来る。
……その瞳。
それが扇情的にさせる。
「俺に盾突くとか、生意気」