「私は貴方のモノ」【完結】


ちゅっと額にキスをして。
瞼にキスをして。
耳にキスをして。


まだ、紅潮してるタエの頬にもキスをして。



泣きそうな顔をするタエを一度見ると。


「お前は俺のモンなの。だから、黙って抱かれておけ」


そうやって、俺は嬉々として告げた。



果てた後、タエに上に倒れ込むと一言、「寝る」と言った。

苦笑しながらタエはわかったって答えると、布団から抜け出す。



温度のなくなった布団に顔を埋めると、俺は迫り来る睡魔に身を委ねた。



「……ん」


どれだけ経ったか、わからない。

……ねみぃ。

ぼやける視界の中、俺は体を起こすと首をぐるっと一度回した。


何時だ。
時計……、まだこんな時間か。


タエはどこだ?
音のしないリビング。


俺は布団から抜け出ると、寝室の扉を開けた。
扉を開けてもこっちを振り向こうともしないタエに、眉間に皺が寄る。


だけど、そのタエの体の奥にレポートが見えてああ。と心の中で一人納得した。

そうか、集中してるのか。
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