「私は貴方のモノ」【完結】
俺の中で渦巻く感情。
黒い、感情。
油断しているタエを強引に押し倒した俺はタエの顔を見つめる。
恐怖で顔が引きつっている。
それを見て、何かが満たされて行くのを感じた。
「怖い?」
肯定も否定もしないタエは、ただただ俺の顔を見ている。
これから、もっとその顔が歪むんだろうな。
この真実を告げたら。
「お前ね、俺に買われたの」
「………え?」
そう口にした途端、彼女の表情が目に見えて変わった。
「借金を支払う代わりにね、俺がお前を買ったの」
「………う、そ」
「俺に従順なペット、欲しかったんだよね」
「……ペット、って」
「ふふ、ははっ」
予想通りの反応に笑いさえ込み上げてくる。
そう、そうやって絶望に歪む顔を見たかったんだ。