「私は貴方のモノ」【完結】
Friend



何かが顔を掠めて俺は目を覚ました。
それはタエの手だった。


訝しげな顔でタエの顔を覗き見る。


……って、こいつ。寝てる?


タエはスースーと寝息を立てながら、無防備に眠っていた。
それから時計を確認すると、あれから一時間以上が経過していた。



「……はあ」



一時間寝るって事は、起こせって事だったんだが。
溜め息をついた俺は起き上がると、タエを抱えてベッドへと移動させた。


スプリングを軋ませながら、タエを寝かせると布団を被せる。
全く起きる気配がなくて、苦笑した。



クローゼットから洋服を取り出すと、それに袖を通す。
……あー、めんどくせ。
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