あなたと、恋がしたい 【特別番外編】
プロポーズ、その前に
【特別番外編】 プロポーズ……その前に
粉雪がちらちらと舞う冬の日――。
純白のドレスが白亜のチャペルに映えてとても綺麗だった。
うっすらと彼女の瞳に浮かんだ涙は、どんな宝石よりも美しかった。
「ハマちゃん、結婚おめでとう」
「ありがと、果歩」
――今日は結衣の結婚式だ。
いつもスポーティな格好をしている結衣からは考えられないぐらい、今日の彼女は女性らしい華やかさがあった。
一番親しい友人の結婚式は、他とはやはり別格で、嬉しいのと寂しいのとが交互に込み上げて感情をもてあましてしまう。花嫁の両親の気持ちには敵わないかもしれないけれど、そのぐらい感傷的になってしまうというか。
「まさか私がこんなに早く嫁にいくなんて思わなかった」
「旦那さん、すごく幸せそうだったもんね。披露宴で泣いちゃう勢いじゃないの?」
「まあ、ありえるね。あいつは喧嘩のあとで焦ってプロポーズするようなヘタレだから」と結衣が笑う。
『なんか、なりゆきで結婚することになっちゃった』と打ち明けられたときは妊娠したのだろうかと驚いたけれど、別れる別れないで喧嘩したあと、仲直りの最中にプロポーズされたそうだ。
本当に別れてやると思ったのに……と言いながら報告してくれた結衣が幸せそうだったことは今思い返しても微笑ましい。
大きな喧嘩は辛いけれど、それがあったからこそお互いの存在が大切だということに気付いたのだろう。
「それより、神野昂生、挙式には間に合わなかったか」と結衣がためいきをつく。
「え?」
「実を言うとね、招待状出してあるのよ」
「うそ、神野さんに?」
果歩が驚いた顔をすると、結衣がタネ晴らしをするべく肩を竦めた。
粉雪がちらちらと舞う冬の日――。
純白のドレスが白亜のチャペルに映えてとても綺麗だった。
うっすらと彼女の瞳に浮かんだ涙は、どんな宝石よりも美しかった。
「ハマちゃん、結婚おめでとう」
「ありがと、果歩」
――今日は結衣の結婚式だ。
いつもスポーティな格好をしている結衣からは考えられないぐらい、今日の彼女は女性らしい華やかさがあった。
一番親しい友人の結婚式は、他とはやはり別格で、嬉しいのと寂しいのとが交互に込み上げて感情をもてあましてしまう。花嫁の両親の気持ちには敵わないかもしれないけれど、そのぐらい感傷的になってしまうというか。
「まさか私がこんなに早く嫁にいくなんて思わなかった」
「旦那さん、すごく幸せそうだったもんね。披露宴で泣いちゃう勢いじゃないの?」
「まあ、ありえるね。あいつは喧嘩のあとで焦ってプロポーズするようなヘタレだから」と結衣が笑う。
『なんか、なりゆきで結婚することになっちゃった』と打ち明けられたときは妊娠したのだろうかと驚いたけれど、別れる別れないで喧嘩したあと、仲直りの最中にプロポーズされたそうだ。
本当に別れてやると思ったのに……と言いながら報告してくれた結衣が幸せそうだったことは今思い返しても微笑ましい。
大きな喧嘩は辛いけれど、それがあったからこそお互いの存在が大切だということに気付いたのだろう。
「それより、神野昂生、挙式には間に合わなかったか」と結衣がためいきをつく。
「え?」
「実を言うとね、招待状出してあるのよ」
「うそ、神野さんに?」
果歩が驚いた顔をすると、結衣がタネ晴らしをするべく肩を竦めた。