晴れ時々毒舌裏バージョン
桶川ストーカー殺人事件遺言
このところ読んでるのが、ノンフィクションと大江健三郎と村上春樹の訳書と筒井康隆の読んでいなかった本です。
もちろん、エンターテイメントも読んでますが、読んだら直ぐに忘れます。
大江健三郎は最初の長編と見る前に跳べと性的人間ですね。
そして万延元年のフットボールを少しずつ読んでます。
初期に比べたら非常に読むのに時間がかかる。
だけど、これが最高傑作と言われてるし読んでるうちに段々文体にも慣れて来ました。
二十代でデビューして天才的ですね。中には万延元年のフットボール以降は駄作とか言う人も居ますが多分それはないでしょ。
これがノーベル賞の一番のきっかけになったようですね。
大江健三郎についてはいつか書きます。他にも沢山の文学を読んだけど自分自身大江を読めなかったのは不覚です。
ここで書くのは所謂犯罪者物です。
自分自身ノンフィクションの犯罪者物とか刑務所物が非常に好きです。何故かはそこに至る異常心理です。
刑務所物は一種のサバイバルとして読みますね。
藤原さんがTwitterで呟いててあ!それは読んだぞでもう一度読んだのも有りますよ。
刑務所の王ってのです。今は絶版で古本を取り寄せました。
面白いです。特にアメリカの昔の刑務所ってのは面白いです。
まあ、他にも色々紹介したいけど今回初めて知った桶川ストーカー殺人事件遺言です。
清水潔著です。
今はもうひとつの殺人犯はそこに居るも買ってて置いてます。
大江を読み込まないと読めない。
桶川ストーカー殺人事件って知ってましたか?
1999年に起こった美人女子大生殺人事件です。
1999年って年は自分自身非常に大変な時期でこの事件を覚えてないんですよ。
これによってストーカー法案が出来たって位の殺人事件です。
この本の凄いのはストーカー行為を繰り返した犯人の異常性もですが、作者の清水さんが当時FOCUSの記者なんですよね。
FOCUSと言えば最初は画期的だったけど所詮はもうこの時点で二流週刊誌なんですね。
芸能人のスクープとか多かったからね。
しかし、清水さんはこの事件に興味を抱いて当時の警察より先に行くんですよ。
そして警察の怠慢や不合理を切ってますね。
清水さんが取りつかれたように自分自身で取材を重ねてスクープをどんどん挙げるけどこの清水さんの裏をきちんと取ってひたすら事件を追うって凄いです。
Amazonレビューの中には著者の雑感が多いと批判も有るけど僕は逆ですね。著者と共に自分自身もこの事件を追ってるような錯覚になりますよ。
二十一才で亡くなった被害者の方にはもうなんて言って良いかです。
遺族にもね。誤解を承知で書くけどそれは置いても読み物としてのスリルやリアリティーが読ませます。
それとマスコミの姿勢や警察のとにかく体面をってのには呆れますね。
清水潔さんは僕の十才上で桶川書いて殺人者はを書いて南京事件を書いて新書を一冊出してるだけです。
桶川が初めての著作で平成十二年に出てる。
これが絶賛されてもそのくらいのペースでしか書けないって事ですね。
ノンフィクションは裏を取って自分自身で動いてですからね。
文章は決して上手くは無いけど著者の気持ちが非常に伝わります。
時には怒り時には迷いながらです。
当時のFOCUSだから書けたのかもです。
大手の新聞社では無理でしたでしょうね。
週刊誌の記者だからこそのネットワークとかフットワークですね。
マスコミの在り方にも一石投じてます。
僕は鬱が有るからこういうのばかりは調子が良い時に読みますが普通の方なら変に気にせず読めるでしょう。
僕は、一度半分程一気に読んで調子が悪くて他のを読んでから調子が戻って一気に読みました。
精神疾患があるとキツイんですよね。亡くなった女性の写真が文庫に乗ってるけどこれも自分自身がキツイと辛いです。
美人ですし生きてたら三十代ですよ。
興味のある方には是非読んで欲しいです。今年のノンフィクションでは一番ですね。
それとこの著者の姿勢がとても好感が持てます。