晴れ時々毒舌裏バージョン
社長…

僕の会社の社長ですけどね。これが二代目で現場を知らない為に営業も出来ないしまあ駄目です。



僕はここの常務から誘われて会社に入ってる。


常務だったり専務だったりその時によって名前変わるけど、この会社を切り回しているのは、その人です。


この常務も癖の強い人です。恨んでる人も沢山居ますね。やり方が少々強引なのと時に会社のお金を私物化しすぎる。


しかし、ここの会長はなんだかんだ言ってもこの常務が居ないと出来ないって分かってるから長く置いてるんです。



元々は、普通の土建業でした。会長はトンネルはそれほど詳しくないし、心臓に病を抱えてる為に作業員としてもほとんどトンネルは経験ないです。



会長は多分七十代でしょうね。最初に会った頃は、僕はその会社の作業員でね。


大柄な人で柔道を昔しててかなりの所まで行ったとの事でした。



常務ももう六十代を越えてます。会ったのは僕がそこの会社の作業員をした時でその後にそこの会社の孫請の所長をした時にかなりぶつかりました。



おじさんが、その常務となんだかんだ言っても親しくてね。それと親父の会社が潰れた時に常務には裏から色々な助けをしてもらいました。



それから、何度か会う機会がありましたが、四十代に入る時に会社に誘われました。


おじさんもでしたが、おじさん体調崩しはじめててやめました。



トンネルを今の会社が始めたのはその常務を入れてからです。




社長ですが、年齢は僕より少し上ですし、三十代までかな違う仕事してて跡取りとして会社に入ってる。



仕事取れない癖にまあ色々な細かい事を僕には言うのでいつも言い合いしてる。



それが、広島の大きなトンネルやってる時に来まして僕もそこには数ヵ月と居ましたから、ダイナマイト作業見たいと言い出したので面白いとなりました。


数年前ですけど、すでに僕はこの社長とは合わないなでした。



発破作業ですが、大きなトンネルだと仕掛けて掘ってる人間で避難するためのボックスに入るんですよ。


ダイナマイトを込める為の孔を掘るんです。大きな機械でその時は二百本近く入れてましたね。


それから線を繋いで行って電気で発破するんです。



細かい事を書くのは面倒ですが、僕らそれをやりなれてますから普通の事です。


繋いだら皆でボックスに入って鍵でオンとすると電気が流れて起爆します。



ボックスにその時は五人で掘ってたけど、三人は次の段取りでもう居なかった為に僕と作業員二人と社長でした。



作業員は僕が入れた連中でまだ三十代でしたね。



社長来てるの知ってるし僕が嫌ってるのも知ってました。



面白いから、わざと社長を押すんですよ。僕がね。



もう少し端にとか言いながら身体をくっつけて押し出そうとするんです。


社長びびってね。その時はけっこう距離があったのでボックスに入らなくても機械の後ろとか色々な逃げ場有るんです。



実際に急いでたら作業員は、ボックスに入らないですからね。


近い時は二人とかで最後は発破しますから。



社長のびびりかたは、半端でなくて泣きそうなんですね。


大体その前の大きな機械が、動くのにもいちいちびびってたから皆が面白がってました。


あまりにびびるので作業員から、キーを借りて僕がそこにいた連中に合図なしでいきなり発破かけました。


もちろん、中にいる他の連中はもう避難してますしそこにいた連中も僕がキーを取った瞬間にやるなでした。


轟音と共に社長が、飛び上がるのが分かりました。



もうおかしくて大笑いです。


そのあとに怒ってるけど、直ぐに出れないんですよ。どうも腰を抜かしたようで動けなくて作業員の一人が運んだくらいです。


あとで聞くとおしっこ漏らしてたのではでしたね。



高山君発破は怖いなあですよ。大体ね、狭い所になると離れてていきなり発破されたりなんて普通に有るんです。



トンネル屋がいちいち発破に驚いててどうするかです。発破かけられる=作業が、進むで喜ばないとなんですよ。


その後滅多に社長来なくなりました。


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