恋するLilyは嘘をつく。
水族館の最寄りの駅に降りた。
早く着きすぎたな。開かないな。
ちょっと本屋さんに寄ってこうかなー。
昨日、テレビでやってた深海魚なんだったっけなー。
うーんと…生き物…生き物…
ウロウロ
あ、あった!
深海魚図鑑、高いところにあるなー。
店員は、忙しそうだね。
日曜だしね。
踏み台みたいなのは…ないか〜
ピョンピョンッ
うーーーんっ!
もうちょっとなんだけど!!
あと、5㎝身長があれば。
つーか、なんで私はよりによって今日フラットシューズなんだよ!
数時間前の自分を恨むよ。
えいっ!
ダメかぁーーー。。。
ヒョイ
「これですか?どうぞ。」
ニコッ
えっ!
の、の、野崎くん!!
『あ、え、は、はい!あり…ありがとうございます!』
ちょっと…いや、だいぶ気が動転していて上手く話せない!!
なぜ、ここにー!?
「あの、それ買うんですか?」
『あ、いや、ちょっとあそこの机で見ようかなって思ってただけです!』
気づいて……ない…よね?
そりゃそうだよね。
わかるわけないか。
「あの……よろしければ一緒に見ていいですか?」
ん?…………
えぇーーーーっ!!?
『は、はい!どうぞ!』
うそでしょ!
読書スペースに2人で座った。
そして、ペラペラとゆっくりページをめくる。
チラッ
ドキッ
すごいキラキラした目してる。
本当に好きなんだなー。
いやいや、あんまり見てたら変に思われちゃうって!いかんいかん!!