恋するLilyは嘘をつく。
並んで水族館へと向かう。
私が野崎くんと並んで歩いている。
夢!?これは夢なのか!!?
「名前、聞いてもいいですか?」
『名前は……えりこ…です。』
嘘を付いてしまった。
だって、名波梨々子だってバレたら…
1日ぐらいいいよね。
普段頑張ってるご褒美ってことで!
神様許してっ!!
明日からまた、めげずに頑張るから!
「えりこちゃんね!僕は悠真!」
よーく知ってます。
「何歳ですか?」
『17!高2です!』
「うそ!一緒じゃん!じゃあ、もう敬語辞めね!」
『え、はい!』
「硬いな〜(笑)ま、徐々にな!」
『う、うん!』
き、緊張して難しいっ!
「ねぇ、どっかで会ったことない?」
…………。
えぇ!
バレた?バレた!?
「なんかどっかで聞き覚えのある声のような気がして……」
こ、声!
そうだよね、あれだけ毎日毎日しつこく話かけてれば。
「ま、気のせいかな!」
『う、うん!そうだよ!よくある普通の声だからさ!』
セ、セーフ!!
何とか乗り切った…かな。
そう言ってるうちに水族館に着いた。
「とりあえずショーだよね!もう、10分前だ!いい場所空いてないだろうな〜。
ごめんね、俺が話込んじゃったから。」
『そんな、私もつい話に夢中になっちゃって。あ、あそこ座ろう!』
だいぶ端っこではあるが、空いてる席を見つけた。
日曜日なこともあって、アシカショーは家族連れやカップルで大盛況だ。
私たちも側から見たら、カップルに見えるんだろうな。
へへっ。
つい、にやけちゃったよ。
気持ち悪がられちゃうわ。
いかん。パンパン!
自分の頬を叩いた。
「ん?どうしたの?」
『あ、何でもないよ!ふふっ!』
「??」
結局、変に思われてしまった!!
「あ、始まるよ!」
パチパチパチパチ……
大きな拍手と共にアシカが2匹登場して、ショーが始まった。
それから、2人で年甲斐にもなくそのへんのちびっ子達より盛り上がった!
「結構端っこで後ろの方だったけど、全体がよく見えて案外よかったね!」
『うん!そうだね♪』
「何回見ても面白いよな!毎回、アシカのコンディションも違うから成功したり失敗したり。」
『本当そう!今日はなんか機嫌わるそうだったね(笑)』
「な(笑)それはそれで面白いけど!
先に昼ご飯食べてから回る?」
『そうだね!もう12時前だし!』
てゆうか、この後もご一緒できるんですか!!