恋するLilyは嘘をつく。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、閉園の時間だ。
家が反対方向らしく、駅でお別れだ。
あ〜!残念!
明日からはまた無視される毎日か( ; ; )
でも、一生の思い出になりました!
神様、今日1日を何事もなく過ごさせてくれてありがとーー!!
『のざっ…!』
マズい。今日の私はまだ、苗字を聞いていないんだった!!
『悠真くん!本当に本当に今日はありがとう!今までで1番楽しかった!!』
「うん。俺も。すげー楽しかった!
えりこちゃんに会えてよかった。」
そう言って優しく笑った。
キュン!
最後の最後に、最高のプレゼントをもらってしまった!!
さぁ、名残惜しいけどバイバイしなきゃ。
『また会えるといいですね!気をつけて帰ってね♪』
「ハハ!それ、男のセリフだから(笑)」
『そ、そっか!!』
しくじった!
『じゃ、じゃあ、また!』
「うん!またね。気をつけて帰ってね♪(笑)」
お辞儀をして、背を向ける。
後ろ髪を引かれるってこのことか。
改札へと歩き出した。
ガシッ
「待って!」
腕を掴まれた。
え。振り返るとバイバイしたはずの野崎くんがいる。
「ごめん、急に。あの……連絡先、教えてくれないかな?LINEとか!」
えぇ!そ、そんなのいいに決まってる!
あ、でもLINEはマズいよな。
梨々子がバレてしまう。
ゆえに、電話番号もマズい。
『うん!もちろん!でも実は恥ずかしながらLINEはしてないから、普通のメールでもいいかな?』
「あ、うん。それは全然大丈夫!」
今時、LINEしてないってどんな女子高生だよ。と自分でツッコミを入れながら、
アドレスの交換をした。
「ごめんね、引き止めて。もっと早く聞けばよかったんだけど。」
照れているのか、頭をかいている。
『ううん、ありがとう!嬉しい!』
「よかった!じゃ、気をつけて帰ってね!あ、家に着いたら連絡ちょうだい。」
『わかった!ありがとう!』
改札を抜けて振り返ると、野崎くんはまだこちらを見てる。
野崎くんは、小さく手を振ってくれた。
私はそれに大きく手を振り返して、ホームへと向かった。