恋するLilyは嘘をつく。
〜昼休み〜
『芙由〜!やっと昼休みだよー!ねぇ、教室じゃ話しづらいから屋上か中庭いかない?』
「バカ。屋上か中庭って、なんでそんな寒いところチョイスなのよ。…仕方ないわね、着いてきて。」
『…?うん!』
私は芙由の後をノコノコと着いていった。
どこいくんだろ〜。
すると、とある部屋の前で止まった。
『第1音楽室?』
「そ!」
『でもここ使われてないし、鍵開いてないんじゃ…』
芙由はそんな心配をよそに、何やらピンを取り出しはじめた。
ガチャガチャガチャガチャ…
カチャン
「はい。どーぞ。」
『えー!芙由すごい!たまに授業にいないと思ってたけど、まさかこんなとこにいたの!?』
「まぁね〜。さ、あそこ座ろ。」
物置だけど、隠れ家って感じでいい。
『ね、昨日どこ行ってたの?』
「あ〜。昨日は〜……」
芙由の惚気話を聞く。
『へぇー!いいなー♡大人のデートって感じ!!やっぱ年上は違うね!』
「で?私のことはいいから、あんたのあの朝のテンションの理由は何よ?」
そろそろ本題にいきますか。
『じ、実はね!昨日ー………』
芙由に、昨日の出来事と今朝の話をいっきに話した。
『……というわけなんですよ!芙由さん、どう思います!?』
「なるほどね〜。まさかそんなことになってたとは。」
『普段これだけ嫌われてるから、言ってしまったら帰っちゃうんじゃないかと思ってつい…。』
「まぁ、その可能性もあるよね。今、言っちゃったら次もなくなるかもか。」
『やっぱそうだよね〜( ; ; )』
「でもさ、ずっと隠し通すなんて絶対に無理だし。とりあえず様子見つつ、言うタイミング探したら?」
『はぁ〜。そうしてみる〜。』
今更ながら、自分のやってしまった事の重大さに気づく。
私は野崎くんを騙してるんだ。