恋するLilyは嘘をつく。
「もう、閉園か。早いな〜。」
『本当、あっという間だね。あ、帰る前にお手洗い行ってきてもいい?』
「うん。ここで待ってる!」
はぁー!本当に心臓が持たないよ!
『お待たせ!』
「帰ろっか!」
再び私の手を取り、駅へと向かっていく。
道の木に施されたイルミネーションが、クリスマス気分をより一層盛り上げていた。
駅に着いてしまった。
繋いだ手が離れる。
今日もさよならの時間だ。
『悠真くん、今日もすごく楽しかった!ありがとう!!』
「こちらこそ、絵梨子ちゃんと来れて本当に嬉しかった。」
な、なんて嬉しいお言葉!!
「で、これ!俺から、絵梨子ちゃんへクリスマスプレゼント!」
そう言って、袋を差し出した。
「開けてみて。」
中を見てみると、それはアザラシのストラップだった。
『えぇ!そんな!悪いよ!私、何も用意してないし!』
「今日のお礼だよ!」
『私、この前から何もしてないのにお礼ばっかり貰ってるよ!』
「いいの、いいの。俺がしたくてしてんだからさ!じゃあ……」
グイッ
『わぁ!』
急に手を引かれたと思ったら、私は野崎くんの腕の中にいた。
えぇ!
「絵梨子ちゃんからのクリスマスプレゼントはこれで。」
うそ。私、抱きしめられてる(泣)
『うぅ…。ありがとう。ストラップ、大切にする!』
「そんな泣くほどのことじゃないって(笑)本当、可愛いな〜。」
か、可愛いって!!
私、今死んでも後悔しないきっと(泣)
「じゃあね、絵梨子ちゃん。気をつけて帰ってね!今日も家に着いたらちゃんと連絡して!」
『ありがとう!悠真くん!』
私達は大きく手を振ってバイバイした。