恋するLilyは嘘をつく。



「もう、閉園か。早いな〜。」




『本当、あっという間だね。あ、帰る前にお手洗い行ってきてもいい?』




「うん。ここで待ってる!」





はぁー!本当に心臓が持たないよ!





『お待たせ!』




「帰ろっか!」





再び私の手を取り、駅へと向かっていく。


道の木に施されたイルミネーションが、クリスマス気分をより一層盛り上げていた。









駅に着いてしまった。
繋いだ手が離れる。
今日もさよならの時間だ。







『悠真くん、今日もすごく楽しかった!ありがとう!!』



「こちらこそ、絵梨子ちゃんと来れて本当に嬉しかった。」






な、なんて嬉しいお言葉!!






「で、これ!俺から、絵梨子ちゃんへクリスマスプレゼント!」




そう言って、袋を差し出した。



「開けてみて。」




中を見てみると、それはアザラシのストラップだった。




『えぇ!そんな!悪いよ!私、何も用意してないし!』





「今日のお礼だよ!」




『私、この前から何もしてないのにお礼ばっかり貰ってるよ!』



「いいの、いいの。俺がしたくてしてんだからさ!じゃあ……」









グイッ








『わぁ!』




急に手を引かれたと思ったら、私は野崎くんの腕の中にいた。



えぇ!



「絵梨子ちゃんからのクリスマスプレゼントはこれで。」






うそ。私、抱きしめられてる(泣)





『うぅ…。ありがとう。ストラップ、大切にする!』






「そんな泣くほどのことじゃないって(笑)本当、可愛いな〜。」





か、可愛いって!!
私、今死んでも後悔しないきっと(泣)






「じゃあね、絵梨子ちゃん。気をつけて帰ってね!今日も家に着いたらちゃんと連絡して!」




『ありがとう!悠真くん!』






私達は大きく手を振ってバイバイした。



< 28 / 58 >

この作品をシェア

pagetop