恋するLilyは嘘をつく。


〜野崎 side〜



1月3日



俺は中学のバスケ部の集まりに来ていた。





「おい、悠真!こっちこっち!」



「あぁ!悪いな、遅れて!」



皆、全然変わってない。




「こうやって皆で集まるの、すげー久々だな!」



「お前ら全然変わってねぇな!」



思い出話しや、今の学校のことで盛り上がっている。






あ、そういえば原口って清羽じゃなかったっけ?




「なぁ、原口。お前って、清羽に行ってるよな?」



「あぁ!そうだよ!」



「田島絵梨子って知ってる?」


「田島絵梨子?うーん…うちもかなりマンモス校だからなー。悪い、聞いたことないや。」




「そっか。だよな。サンキュー。」




そりゃそうだよな。俺だって学年のやつら全員なんてわかんねぇし。




「何?知り合い?彼女か?」



「彼女ってわけじゃないけど…」



「でも、いい感じなんだ?可愛い?」



「まぁ。」



「それはちょっと気になるな!お前がやっと女に興味持ち出したなんてさ。よかったよ。」



「うん。」





「おい!原口ー!」


「はーい!行く行く!じゃな、悠真!」



盛り上げ隊長原口は、呼ばれて行ってしまった。





絵梨子ちゃん、そんな目立つ方じゃないだろうしな。



俺はその後、全くそのことは気にしてなかった。








でも後日、原口からショックな連絡を受けることになる。







〝お前がこの前言ってた田島絵梨子ちゃんって子なんだけど、気になって調べてみたんだけどさ。いないんだよ、そんな子。他の学年にも。先生にも調べてもらったから間違いないと思う。
言おうかどうか迷ったんだけど、お前がまた変な女に引っかかったんじゃないかと思ったら言わずにはいられなくて。〟









うそ……だろ?




〝そうなんだ。わざわざありがとう。教えてくれてサンキューな。ごめん、気ぃ使わせて。〟










ははっ。バッカみてー。


何やってんだ、俺。



そもそもあの時、なんで俺はあんなナンパみたいなことしたんだ。



そんな知り合い方した女信じてたなんて。自分の愚かさが嫌んなる。




この調子だと名前も嘘だろう。
だから、LINEしてないって。
本名バレるから。




そんなことも見抜けなかったなんて。
バカすぎる。






女なんて信じちゃダメだって。
わかってたはずなのに。
また、同じことを繰り返すなんて。





もう、女なんて信じねぇ。




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