恋するLilyは嘘をつく。
今日も皆が挨拶をしてくれる。
けど、空返事で笑顔も作れない。
「梨々子。おはよ!」
『…芙由。おはよ。』
「えっ。何?今日はやたらとテンション低くくない?」
『…まぁ。いろいろあって。。。』
「想像はつくけどね。話したくなったら話なよ。」
うぅ。芙由、なんて優しいの!!
「てゆーか、あんたまた香水変えたの?」
ん?
クンクン…
気づかなかった。
朝、ボーッとしてて付け間違えたんだ。
しかも、よりによって今1番辛いベルガモットの匂い。
『やっちゃったー……』
そのタイミングで野崎くんを見つけてしまった。
どうしよう。
行けないよ。
でも、行かないと。
話があるって言わなきゃ。
『…行ってくる!』
「あんた大丈夫なの?」
私は小さく頷いて、野崎くんの元へ向かった。
『野崎くん!おはよ!』
「…………。」
言え、梨々子。
『あ、あのね。野崎くんに話し「…あのさー。」
私の言葉は野崎くんによって遮られた。
『え。』
「……別にあんたが何を付けてようとどうでもいいけど。その匂いだけは不快だから近づかないでくんない。」
スタスタスタスタ…
あぁ。本当に私ってバカ。
もう、ダメ。
涙で滲んで前が見えない。
その日から私はもう野崎くんに話しかけることはできなかった。