恋するLilyは嘘をつく。
ショックだった……
そんなことがあったなんて。
それと同時に自分がしてしまったことの重大さに気づく。
〝嘘〟
それは野崎くんに対して1番してはいけないことだった。
なのに、なのに私は自分の都合だけであんなこと……
私は涙が溢れて止まらなかった。
「あいつ、俺のことだってムカつくはずなのに。お前は悪くないって、言ってくれたんだ。俺だったら、そうはわかってても逆恨みしちゃうと思う。」
「だから、本当のこと言ってやって欲しいんだ。だって、梨々子ちゃんは悠真のことが好きだからこそしてしまったことなんだろ?だったら絶対、あいつはわかってくれる。」
『うぅっ…。』
「大丈夫!あいつ、マジですげぇいい奴だからさ!俺が言うんだから間違いないって!!」
『…本当にごめんなさい……。』
「ごめんは悠真に言ってやってよ!
俺はうまくいくって信じてるよ。無視されてもあいつに挨拶し続ける梨々子ちゃん見てたら、何か変わるかもしれないってずっと思ってたからさ!」
『…うん!ありがとう!篠原くん!』
「そうそう!梨々子ちゃんはその笑顔じゃなきゃね!
しかし、あいつがそんなナンパまがいのことしてたなんて驚きだわ(笑)
じゃあ、健闘を祈る!!」
篠原くんは私の肩を1発パシンと叩き、屋上を後にした。
『本当にありがとう…。』
私も行かなきゃ。
もう、次の授業が始まる時間。
私は強い決意を胸に教室へと戻った。