恋するLilyは嘘をつく。
最後の日曜日。
私は決めた。最後の賭けに出よう。
どうなるかわからない。
もし、野崎くんが来てくれなかったらそれで終わりだ。
でも、もうこれしかないと思う。
私は放課後、帰ろうとする野崎くんを引き止めた。
『野崎くん!待って!』
ピタッ
「……。」
振り返ってはくれない。
タタッ
私は前に回って、まっすぐ野崎くんの目を見て言う。
『明後日の日曜日、14時に水族館に来て!』
「…はぁ?」
『絶対来てね!待ってるから!』
私は一方的にそれだけ言い、返事を聞かずにその場を立ち去った。
もう後は、祈るようにして日曜日を待つだけ。
来てくれることだけを願って。