恋するLilyは嘘をつく。
〜野崎 side〜
あぁー。よく寝た。
もう、昼過ぎか。
俺はチラッと時計を見た。
13時半を過ぎたところ。
ふと、金曜日の名波の言葉が頭をよぎる。
〝明後日の日曜日、14時に水族館に来て!〟
〝絶対来てね!待ってるから!〟
…知るかよ。
あんな一方的な誘い。
しかも、よりによって水族館。
今、俺が1番行きたくない場所。
俺は行くなんて言ってないし。
忘れよう。
俺は昼飯を食べることにした。
誰もいねぇ。ラーメンしかないじゃん。
お湯を入れて3分待っていたその時、
〜〜♪〜〜〜♪
メールだ。
〝差出人 田島絵梨子〟
タイミングよすぎだろ。
〝14時にイルカのオブジェの前で待ってるから!!〟
はぁ?
……14時………イルカのオブジェ…
今日、約束なんて……
はっ!
俺は急いで田島絵梨子のアドレスを確認した。
〝lily_smile@〜〟
その瞬間、俺の頭の中で全てが繋がった。
まじかよ…
バッ!
俺はコートと財布を掴み、無我夢中で家を飛び出していた。