恋するLilyは嘘をつく。
〜梨々子 side〜
野崎くんは来なかった。
当然のことだ。
来てくれるはずないよ。
私はそのまま1人で水族館へと向かった。
いつものように館内を見て回る。
少し前までは当たり前だったのに。
1人でも平気だった。
でも、2人でいる楽しさを知ってしまった今、物足りなくて寂しくて仕方ない。
私はアザラシの前のベンチに座り、ボーッとしていた。
もう、終わりなんだ。
そんなことを考えながら。