恋するLilyは嘘をつく。
教室で芙由と話していると、何やら廊下が騒がしい。
バタバタバタバタバタバタ…
ガラガラッ
はぁ…はぁ……
「り、梨々子さん!」
教室の入り口には、息を切らせた美波。
タッタッタッタッ…
バンッ!
こちらへきて、雑誌を私の目の前に置いた。
「これ!どうゆうことですか!?
私、何も聞いてないです!!!」
表紙にはデカデカと
〝リリー!ありがとう!
名波梨々子、卒業スペシャル!〟の文字。
あら、なかなかいい写りじゃないの。
美波は、今にも泣きそうな顔をしている。
『ごめんね、美波。言わなくて。
けっこう前から決めてたことだったんだけど、余計な心配かけたくなかったから。
だから、あとのことは美波に任せた!
美波なら私よりもっと皆に好かれるモデルになれるよ、絶対!』
「嫌ですー!そ゛ん゛な゛の゛無理です゛よ゛ーーー!!!わ゛ーん゛!」
ついに泣き出してしまった。
『ほらほら!そんなに泣かないで!
早く教室戻んないと先生きちゃうよ!』
「ゔぅー!」
私は、大きな声で泣きながら教室へ向かう美波を見送った。
皆見てるよ、美波(笑)
そこにちょうど野崎くんがやってきた。
「…あの子どうしたの?(笑)」
『実はこれ…。』
美波が忘れていった雑誌を見せた。
あとで返しに行かなきゃ。
「あぁ、それでねー。」
『言ってなかったから急でびっくりしちゃったみたいで^^;
てゆーか!野崎くん!髪!!』
「うん。切った。けど、自分で切ったからグチャグチャだけどな。」
『…いい!その方がすごくいいよ!!
かっこいい!!!』
「……////。」
あ、照れた!
もう、可愛いっ♡
「おーい!皆、席つけよー!」
ちょっと先生、タイミング悪いよ!
今、いい雰囲気だったのにー!