跡にも咲にも
私の旦那さん
①
今日も昨日に負けじといい天気だった。
絶好の洗濯日和。
よく乾きそうだから布団も干してしまおうか。
私はルンルンで最後の1枚のワイシャツを干すと、洗濯籠を持って部屋の中に入った。
部屋の壁に掛けられた時計を見るともう7時半。
そろそろ起こさないと。
私は洗面所に行き持っていた籠を置くと、エプロンを外しながら愛するあの人のもとへ向かった。
ごほんと咳払いをして、シックなブラウンのドアをこんこんと小突く。
「……」
反応はない。
よし、まだ寝ている。
私はそっとドアを押し開けた。
スリッパを滑らせて中に入っていく。
大きなセミダブルのベッドには彼が小さな寝息を立てて眠っていた。
起こさないように近づいていく。
枕元にたどり着き、彼の顔を見下ろした。