跡にも咲にも
私は渇きを感じる目をシパシパ瞬きをして潤した。
それでも渇きは癒えない。
心臓がバクバク鳴って口から飛び出そう。
生まれてこの方こんなにドキドキしたことがない。
たかが「ずるい」と言われただけなのに…。
そのあとはほとんど記憶にない。
いつの間にか彼と一緒に会場に戻り、よくわからないままお話をし(ほとんどしゃべらなかったけど)、後日菜桜子に相談したら「それは恋だ!」と言われ、だんだん自覚していくと本当に好きになって、私から猛アタックをして、…………………まぁ、いろいろあって今に至った。
え?はしょるなって?
今後お話しする(たぶん)のでそれまで待っててくださいよ。
そうして私は大好きな廉くんと結婚することになりました。
結婚と同時に私は会社を辞め、専業主婦になった。
一人暮らしなんかしたことなかったから洗濯やら掃除やらが大変だった。
料理は小さいころからお母さんの手伝いをしていたから得意だったけど(それがせめてもの救い)。