0.02mmの壁
その行為がきっかけで気まずくなったとか、距離を置いただとか、はたまた付き合ったとかいうのはなかった。以前の関係の通り、お互い異性で一番仲の良い友達(幼馴染)だった。行為はその一回だけ。わたしは自分の気持ちをひろくんに伝える気はなかった。ただ勇気がないだけ。今の関係が心地よかったから。その関係が壊れたのは高1の秋。わたしとひろくんは同じ高校に進学した。ひろくんはずっとみてきた幼馴染からみてもかっこよかったし、クラスのリーダー的存在で女の子から人気があった。ひろくんが何人もの女の子に告白されて、それを全部断ってることは知っていた。わたしはどこか心の底でひろくんは誰とも付き合わないって根拠のない確信を持ってたんだ。