0.02mmの壁


でも文化祭が終わった次の週の帰り道、ひろくんのサッカー部がお休みの火曜日はいつも一緒に帰っていた。たわいもない話をしていたのに突然ひろくんはこういった。


「あ、おれ彼女できた」


ガーン。頭を鈍器で殴られたみたい。血でそう。理解できなくてしたくなくて、なんで付き合ったのとか今まで断ってたのはわたしのことが好きだからじゃなかったのとか色んな感情がぶわぁーって溢れ出した。でも実際に出てきた言葉はそんな言葉ではなかった。

「そっか、よかったね」

なにが良かったんだよ。自分で突っ込んでしまった。誰と付き合ったとかは次の日、クラスの友達から聞いた。というか聞かされた。どうやらサッカー部のマネージャーらしい。しかも可愛い。さっそく噂になっているらしく男子も「ももちゃんとられたー!」とか悔しがっていた。いやお前のじゃねぇーだろ。こうしてわたしの初恋は幕を閉じたのであった。ちゃんちゃん。

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