仔犬男子の反乱
仔犬男子の反乱


大勢の人で賑わう、お昼の社員食堂。


どこもかしこも人だらけで、空いている席を見つけるのでさえ一苦労。


同僚の明美と日替定食のトレーを持って、空きはないかとウロウロしていた時のことだった。



「理穂さぁん!」


どこからか、私を呼ぶ声が聞こえたのだった。


この声は……


「出た。仔犬男子」


声の主に気づいた明美がクスクスと笑う。


「こっちですよ! こっち!」


テーブルの前で大きく両手を上げてピョンピョン飛び上がっているのは、後輩の拓海くんだった。
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