仔犬男子の反乱
「明美と飲んでたの」
「で、明美さんは?」
「家が逆だから」
「危なっかしい場所を一人で歩いたらダメじゃないですか」
「大丈夫よ、別に」
一緒にいたら、ろくなことになりかねない。
歩き出した私の後を拓海くんが着いて来る。
「送って行きます」
「一人で平気よ」
「送りますってば」
「いいってば」
「また変な男に絡まれますよ?」
「今度は蹴散らすから」
「理穂さんに出来るわけないじゃないですか」
いくら拒否してみても堂々巡り。
結局、私のアパートまでくっついてきたのだった。