仔犬男子の反乱

「困ります」


今度は肩を掴まれた。

ガッチリ押さえられてすり抜けることもできない。



――どうしよう。



そう思った時だった。

突然男の手が弱まったと思ったら、「イテテ!」と苦悶の表情を浮かべたのだ。



――何!?



「嫌がってるのが分からないのか?」



――え!?
拓海くん――!?


そこには、男の手をキリリとねじ上げる拓海くんがいたのだった。
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