オレのオンナだって、わからせてやるよ
こんな空気、早く脱したい。


早く家に帰りたい。寝たい。忘れたい。


スッと立ち上がり逃げだそうとした、わたしの肩を掴んだのは、潤耶のオトコらしい手で。


ただ掴まれただけなのに、電気が走ったみたいにビリッとして。


そしてそのまま、壁に押し付けられた。


「〝将生将生〟って、お前まだ好きなのかよ」
「は…?まだ、って…」


なに、言ってんの?わたし、潤耶に…茉祐子にでさえ、言ったことなかったのにっ。


「お前ってホント、ニブイのな?」
「な、にがよっ」
「オレ、ずっと見てたんだけど?」


ズイッと近づいてきた、潤耶の顔。


咄嗟に背けようとした顔を、いともカンタンに潤耶の手が、わたしのアゴをクイッと持ち上げると、イヤでも目が合った。


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