俺は今、見知らぬ女に壁ドンされている
俺の言葉に、女はむっとしたように眉根を寄せた。



「……外面だけで勝手に夢見といて、文句言わないでよね!

そんなんだから、志織ちゃんに振られんのよ!」



………え?



ソンナンダカラ

シオリチャンニ

フラレンノヨ??



たっぷり30秒ほど思考停止した俺は、ゲロまみれの服を洗う手を止め、女に目を向けた。



「………えっ。

なんで志織のこと知ってんの!?

まさか、お前、志織の友だちか!?」



「はぁ? んなわけないでしょ。

全部自分で話したんじゃないの」



「いっ、いつ!?」



「さっき電車の中でくっちゃべってたじゃない。

志織ちゃんに振られちゃって、でも幸運にも絶世の美女に一目惚れされて、愛の告白されて、幸福な家庭を築くんでしょ?」



絶世の美女は、にやりと笑った。




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