俺は今、見知らぬ女に壁ドンされている
「やったな、イマイチ男!」



絶世の美女が悔しそうに叫び、じゃばっと水をかけ返してくる。



「イマイチとはなんだ、失礼な!」



「自分で言ってたんじゃないの!」



「他人から言われたら腹立つんだよ!」




それからは、雪合戦ならぬ水合戦。


二人とも全身びしょびしょになるまで、水を無駄遣いし続けた。



酔っ払いってほんと手に負えないな……。



一時間近くも馬鹿をやっていただろうか。



俺たちは同時に、はっと我に帰った。



傍らに怪訝な顔で立ち、俺たちの動向を眺めているお巡りさんの姿に気がついたからだ。




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