俺は今、見知らぬ女に壁ドンされている
申し訳ないなーとは思うけど溢れ始めたゲロが止められるわけもなく。



今日は大分飲んだんだなぁ………。


あたし、お酒はかなり強い方だから、記憶が飛ぶことも、ゲロを吐くことも、なかなかないんだけど。



そんなことを考えつつ、あたしがどばどば吐き続けていると。



「………おまっ、何してんだよ!」



あたしを睨みつけてくる男の目が、初めて焦点を結んだ。


朦朧としていたらしい意識がやっとはっきりして、ぶつぶつと絶え間なくもれていた独り言もやんだ。



今はただ、はっきりとした不快感と敵意をもってあたしを睨み、壁ドン中のあたしの手を払いのける。




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