俺は今、見知らぬ女に壁ドンされている
あたしはゲロを垂れ流しながら、男の腕をぐぐっと掴んだ。



再び逃げようとしてた男はつんのめり、驚いたようにこっちに視線を向ける。



見開かれた瞳に、死にそうな顔をしてゲロを吐いている自分がうつっていた。



あたしはゲロのせいで喋れなかったので、目に無言の圧力を込めて男を見た。



言葉もなく見つめ合っている隙に、車掌があたしを外に引きずり出そうとする。




あたしはゲロまみれの男の腕を両手で抱き、道連れにすることに成功した。




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