俺は今、見知らぬ女に壁ドンされている
なんか、新鮮だ。


普通の平凡な男と思ってたけど、もしかしたら違うかもしれない。



今まで出会ったつまんない男たちとは、違うのかもしれない。



自然と笑いが込み上げてきた。


でも、あたしはそれを抑えて、照れ隠しに男に飛び蹴りを食らわせた。



「いった! 何すんだお前!」



男が驚いたようにあたしを見る。


ちなみにあたしを「お前」呼ばわりする男も初めてだ。



「ゲロくらいでごちゃごちゃうるさい!

ケツの穴の小っさい男ね!」



天邪鬼なあたしは、嬉しさと裏腹にそんなことを言ってしまう。



男が今度は呆れたようにあたしを見た。




< 36 / 42 >

この作品をシェア

pagetop