俺は今、見知らぬ女に壁ドンされている
一時間近くも馬鹿をやっていただろうか。


あたしたちは同時にはっと我に返った。


傍らに怪訝な顔で立つお巡りさんに気がついたから。



「ちょっとちょっと、こんな時間にこんなところで何してんの、お兄さん達………」


「あはっ、えーと………水浴びです!」


「このバカ女にゲロかけられて!」



すかさず言った男にムカついて、あたしは睨みつける。



「先に水かけたのはそっちでしょ!?」



お巡りさんは呆れ顔で「たいがいにしときなさいよ」と忠告して、立ち去っていった。



「………ほんと、何やってんだろ俺たち」


「こんな夜中にびしょ濡れになって」


「我に返ると恥ずかしすぎる………」


「お酒って怖いわねぇ」




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