俺は今、見知らぬ女に壁ドンされている
その絶世の美女が、蕩けるような瞳で、うっとりと俺を見つめているのだ。


何が何だか、訳が分からない。



俺は、自分で言って悲しくなるが、非常に平凡な男である。


顔はそれほど悪くない(二目と見られないようなレベルではない)と自負しているが、

二流大卒・平均身長・平均年収――三高ならぬ三中。


しがないサラリーマンである。



志織が俺を「イマイチ」と言ったのも頷ける。



そんな俺が、今まさに、比類なき稀有な美女から、迫られているのである。



こんな夢のような僥倖が、俺の身に降りかかる日が来ようとは!




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