俺は今、見知らぬ女に壁ドンされている
美女が、すうっと息を吸い込んだ。



とうとう運命の瞬間だーっ!




「……う゛……」




………お?


意外とダミ声なんだな。



でもそれもまたセクシーか……


と思った矢先。




――たぱ、たぱっ



何か液体的なものが、女の美しい口から溢れ出した。




そして、ぽとり、ぽとりと俺のスーツの胸をしとどに濡らす。



その液体の正体に気がついたとき。





「――――ぎゃあぁぁあぁぁぁっ!!」





隣のそのまた隣の車両まで響き渡るであろう叫び声が、俺の口から飛び出した。




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