潰れたリップクリーム。
「あったかい」
コンビニに入ると天国の様だ。
幸せに少し浸ると、目的物のリップクリームを手に取りレジに向かう。
「お願いします、あとピザまん1つ下さい」
「はい、かしこまりました」
定員のお姉さんは笑顔でピザまんを出してくれた。
これで長谷部に怒られずに済む。
「ありがとうございましたー」
何事もなくお使いが出来て嬉しくコンビニを出て少し歩いた後、足を止めた。
そして、袋を開いてリップクリームを見つめる。
購入したのは、“あの時”のと色違いのリップクリーム。
「……うん、今度は大切にしよう」
袋を持つ力を強め、
「うん、早く帰ろ!」
ピザまんとリップクリームが入っている袋を振り回しながら学校に戻った。