檸檬
白いソファーに座って、高谷のデザインを広げる。ローヒールから、ハイヒールまで。
高谷はデザイン担当。私がそれに色を乗せる。
でも、高谷のデザインは見るだけで、色が零れてくる。
「流石」
後ろから声がして、コーヒーが出てくる。
振り向くことなくそれを受け取ると、隣に榊が座った。
「ありがとう」
「いーえ、すぐ出ますか?」
うん、とコーヒーを一口。色を付けて持って行って、生地を決めないといけない。それには、高谷が回復しないといけないけれど。
「榊はどうするの?」