檸檬

「んー」

「大学出てるの? この前、ひとつ落としたら留年って言ってたでしょう」

「行ってますよ。洽さんは卒業出来るんですか?」

「できますー」

全く失礼なお坊っちゃんである。
眠る高谷に毛布を掛けて、二人で高谷宅を出た。



ビアフランカ。
高谷と私と榊の設立した、小さいブランド。

売る物は女性用のヒールのみ。ネット販売のみ。

先程の通り、デザイナーは高谷と事務兼の私。
そして、このお坊っちゃん榊のお父様が靴製造に関わっていることから、融通をきかせて頂いて、モノが出来上がる。


< 5 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop