my sweet devil
devil8#崩壊

○芽依○



『……芽依』


私を呼ぶ声に目を覚ます。



真っ暗で、何も見えなくて。


私を呼んだ声は、紛れもなく大好きなあっちゃんの声だったのに


あっちゃんはどこにもいない。



途端に、寂しさが込み上げてくる。




『あっちゃん……』



どこにいるの……??



『芽依……』


また、あっちゃんの声が聞こえる。



『あっちゃん……!!』



その時。


私のいる場所に、雨が降ってきたんだ。


滝のように、激しく、冷たい雨。



まるで私を選んだかのように、周りは一粒も降っていなくて、私だけを濡らして行く。



ねぇ、ここはどこなの?


あっちゃんはどこにいるの?


どうして、私は一人ぼっちなの……??




『あなたが、離れたのよ。』


俯いていた顔を上げる。


この声には聞き覚えがある。



『……岡田さん』


世界で一番、聞きたくなかった声。




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