my sweet devil
「あっちゃん……」
芽依が俺の腕をたよりなく掴む。
俺はもう、芽依に何を言われるかがわかっていたんだ。
歯を食いしばって涙をこらえている俺の顔が、芽依には見えないようにと必死で願った。
「やっぱり、ダメなんだよ……」
わかっていても
覚悟していても
芽依の言葉は容赦なく俺の胸を切り裂いた。
こんなに好きなのに
芽依だけを愛しているのに
この想いは、罪なのか……?
「あっちゃん、ごめんなさい。ごめん……」
俺は起き上がると、泣く芽依の手を引いた。
「行きたいところがあるんだ」
芽依は驚いた顔をしたけれど、おとなしく俺についてきてくれた。
ひたすら無言で歩いて
着いたのは家から徒歩5分ほどのところにある小さな神社。
俺はそこに着くと、芽依のほうに向き直った。
*