my sweet devil
「芽依、知ってるよな?この神社」
俺の言葉に、芽依は涙を流しながら頷いた。
この神社は、『永遠』を誓う場所
昔から、このへんのカップルは結婚を決めた時にこの神社にくる伝統があった。
いつか来ようと思ってたんだ
………その時には、終わる直前だなんて予想もしなかったけれど。
俺はまた芽依の手を引いて歩き出した。
この時にもし
俺が二人の永遠を誓えていたなら
また違った未来があったんだろうか?
「ねぇ、あっちゃん。でも私たち……」
「わかってる。でも、でも……」
芽依の言いたいことがわかったから言葉を遮ったのに
俺は言いたいことを最後まで言うことができなかった。
心の中でぐらい、永遠を願ってもいいんじゃないか……?
でもそんな弱虫な俺を芽依に知られたくなかったんだ。
二人並んでお祈りをする時
涙が溢れて止まらなかった。
俺は結局、芽依を手放すしかできないんだ。
俺は結局、こんなに大切な人を
守ることすらできないんだ……
*