my sweet devil


下校時間の玄関から校門に続く道は、帰ろうとする生徒でいっぱいだった。


手を繋ぐカップル


じゃれながら歩く女子高生


テスト中なのに、試合が近いので部活に励む野球部



そんな中、私は一人で歩いていた。



あっちゃんを待って、一緒に帰った日の待ち合わせ場所


校門の横を通り過ぎた時、私は思わず止まってしまった。




「………っ」


向こうも、私と目が合って止まってしまったようで


二人の間には、他とは違う時間が流れているようだった



誰かを待っているの?



それはもしかして……、



その時


「篤志くん!!」


私の予想通りの声が聞こえた。



待ち合わせ、してたんだね。岡田さんと。



私の居場所はもう、あっちゃんのそばにはなくなってしまったんだ。




私は少し笑うと、また歩き出した。




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