my sweet devil
devil9#好きな人
●芽依●
「芽依、おはよ」
「あ、みなみ、おはよう」
テストが終わり、夏休みが始まり2週間。
受験生の私たちには、補習があった。
受験生の自覚なんてまったくなかったのに
こうやって夏休みに学校に来るとか、先生の話とか
そういうので無理やり、受験生意識を自分に植え付ける。
私は特にやりたいことなんてなくて。
頭もよくない。
だけどちゃんと考えないと、って思っても意識が勝手に別のところにいく。
「篤志くん、帰ってきた…?」
恐る恐る聞くみなみに、笑って首を横に振る。
心配かけてるんだろうな
みなみは、泣きそうになった。
あっちゃんとは……、
あの日
あの別れを告げた日から会っていなかった。
バスケ部の合宿
あっちゃんはお母さんにそう言ったらしいけど、マネージャーの岡田さんが普通に補習で同じ教室にいるから
それも本当かはわからない。
私からあっちゃんに別れを告げたんだから
私があっちゃんを傷つけたんだから
私が落ち込む資格なんて、ない………
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