my sweet devil
「芽依ちゃん、加瀬さん、おはよ」
「亮太郎くん……」
亮太郎くんは、夏が始まってすぐなのにもう焼け始めていた。
バレー部だよね?
「俺、すっげー焼けたっしょ?」
私の心の中を読んだみたいに、亮太郎くんはその話題を口にした。
「うん、ちょうど思ってた」
私が笑うと、亮太郎くんも笑う。
「俺、芽依ちゃんの考えてることわかるから」
その言葉に、息が一瞬止まった。
だって……、私、亮太郎くんのこといっぱい傷つけた。
あんなに好きって言ってくれた亮太郎くんをいっぱい傷つけて、亮太郎くんの気持ちを利用した。
結局、あっちゃんも傷つけて……
私、何やってるんだろう
自分に、吐き気がする。
「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる」
「でも芽依、もうすぐ授業……」
そう言ったみなみに、少しだけ笑顔を向けると
教室を出て、走り出した。
*